ポスドク・助教

もしポスドク時代に残業代や休日出勤手当てが100%出ていたら?結論→年間〇〇万円も多くもらえていた!【元 特任助教のif物語】

もしポスドク時代に残業代や休日出勤手当てが100%出ていたら?結論→年間〇〇万円も多くもらえていた!【元 特任助教のif物語】

※記事内には一部PRを含む場合があります

現在ポスドクや助教をされておられる方の中には、休日祝日関係なく毎日夜遅くまで研究に従事されている人が多いと思います。

  • 長時間働いているけど今まで不満に思ったことはないなあ
  • 確かに残業代が出ていた場合にどのくらい給料が増えるかは気になるかも…
  • 民間企業との残業事情の違いも知りたい

大学で働いているとどんなに残業しても残業代をもらえる人はほとんどいませんが、民間企業では当たり前のように残業代が出ています。

この記事では、もし大学で働くポスドクが残業代や休日出勤手当をもらえていたらどのくらい年収が増えるのか?を実際のケースをもとに算出していきます。

本記事を読むことで、ポスドクと企業研究所における残業事情をくわしく知ることができますよ。

本記事の信頼性

本記事の筆者は、大学助教から企業研究職への転職実績があります。ポスドクも民間企業研究職も経験した私自身のケースをもとに、大学と企業の残業事情を比較していきますね。

ポスドク(特任助教)の労働契約条件

雇用契約書

それでは、まずは前提となるポスドク時代の労働条件について押さえておきましょう。

項目条件
基本給30万円/月
(年俸制、月割りで支給)
勤務時間8:30-17:30
(裁量労働制、フレックス)
ボーナス支給なし
残業代支給なし
休日出勤手当支給なし
※金額は税引前

ポスドク時代の契約は年俸制で、360万円/年を12ヶ月で割って毎月30万円(税引前)を給料として受け取っていました。

勤務時間の定めはありましたがフレックス制度が採用されていましたので、出勤時間は自由に調整できました。

その代わり、裁量労働制が適用されており、いくら残業しても休日勤務しても、その分の給料支給はなかったです。

本記事では、この残業代、休日出勤手当がなかったポスドクの勤務状況に着目し、もし残業代や休日出勤手当がもらえていた場合はいくら年収増になっていたか?を検証していきたいと思います。

まさひろ

契約で決まっているのでありえない話ですが、エンタメの一つとして気軽に見ていってくださいね

ポスドク時代の平均残業時間(平日)

残業

それでは、ポスドク時代の平均残業時間(平日)を見ていきましょう。

ポスドク時代の平日は、基本的に朝9時ごろ~夜23時ごろまで研究をしていました。

ともこさん

結構遅くまで研究していたんですね

もちろん毎日同じ時間に研究していたわけではなく、日によっては朝3時ごろに目が覚めてそのまま研究室に行く日もあれば、昼過ぎに起きて出勤する日もありました。

帰る時間もマチマチで、Amazonの荷物受け取りで18時頃に帰る日もあれば、実験が楽しくて夜通し実験していた日もよくありました。

それらを押し並べて平均すると、毎日14時間くらいは研究室にいたかなと思います。

ここからご飯休憩1.5時間程度を引いて、平均勤務時間は12.5時間になります。

基本勤務時間は8時間でしたので、

平均勤務時間12.5時間 – 基本勤務時間8時間 = 4.5時間/日

4.5時間/日 ✕ 20日 = 90時間/月

がポスドク時代の月平均残業時間になりました。

まさひろ

このくらいの残業時間であれば、中小企業やベンチャー企業でも可能性のある労働時間かなと思います

ただし、多くの企業が締結している「36協定」の条件に照らし合わせると、ほぼほぼ違反になるレベルの勤務時間になっています。

36協定の条項
  1. 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  2. 時間外労働と休日労働の合計が、2カ月平均、3カ月平均、4カ月平均、5カ月平均、6カ月平均の全てにおいて月80時間以内
  3. 時間外労働が年720時間以内
  4. 時間外労働が月45時間を超えられるのは年6カ月まで

ともこさん

12ヶ月全て90時間残業していた場合は①~④全てアウトになりますね…

ポスドク時代の休日勤務時間

研究者

次に、ポスドク時代の休日出勤時間を見ていきます。

ポスドク時代は、休日や祝日もほぼ毎日研究室に行っていました。

とは言っても、平日のように長時間滞在するわけではなく、おおよそ12時~19時ごろで研究していることが多かったかなと思います。

まさひろ

休日は学生さんもほとんど来ていなかったので、居室で集中してペーパーワークを進められたり研究設備を使い放題状態だったりなど、研究を進めるには快適な時間でしたね

休日出勤時間7時間/日 ✕ 8日 = 56時間/月

がポスドク時代の月平均休日勤務時間になりました。

ポスドク時代に残業代等が出ていた場合の年収増加額

お金

ここまでに計算した平均残業時間(平日)と休日勤務時間をもとに、仮に残業代や休日出勤手当が出ていた場合の年収増加額を算出していきましょう。

ポスドク時代は、税引前で月給30万円でしたので、

30万円/月 ÷ 20日 ÷ 8h = 1,875円/時

で働いていたことになります。

残業や休日出勤では基本的には時給が1.25倍~1.5倍されますので、最低限の設定値で1.25倍と仮定すると、

1,875円 ✕ 1.25 =2,344円/時

が残業時の時給となります。

これにポスドク時代の平均残業時間と休日勤務時間を掛けてやると、

2,344円/時 ✕ (残業時間 90時間/月 + 休日勤務時間 56時間/月) = 342,224 円/月

となります。

ともこさん

基本給の30万円/月を超えちゃってる…

年間にすると、

342,224 円/月 ✕ 12ヶ月 ≒ 410万円/年

となりました。

まさひろ

私自身も、年収410万円ももらえるくらい働いていたと知って大変驚きました

ここまで算出した残業時間、休日出勤時間とその時の給料増加を表にまとめておきます。

項目算出結果
残業時間90時間/月
休日出勤時間56時間/月
給料増加額
(月当たり)
約34万円/月
給料増加額
(年当たり)
約410万円/年

今回の残業代や休日出勤代は、時間も時給も現実よりも抑えめで計算しています。

実際には祝日の出勤日もあったり、捨てた有給もあったりするので、厳密に計算するとさらに数割増加するでしょう。

民間企業ではしっかりと残業代が出る

給料

ここまでで「ポスドク時代にもし残業代や休日出勤代が支給されていたら?」という、”もしも話”をしてきました。

もちろん、もともと残業代などが出ない裁量労働制で契約していたので、「残業代が出ない大学はおかしい!」と言うつもりは全くありませんが、年収400万円も増える可能性があったと考えると今後のキャリア・働き方について思うところはあります。

そもそも普通の企業では月146時間も残業や休日出勤はできませんが、企業に行けば残業や休日出勤した分は確実に残業代や休日出勤手当が出ます

ともこさん

好きな研究に没頭させてもらえ、その時間もしっかりとお金が出るのは嬉しいですよね

36協定上限の月45hとしても10万円/月もらえます。

これを手堅く年利3%で資産運用(積立投資)すると、30年後には5,800万円もの資産を築けることになります。

積立シミュレーション_10万円_30年
積立シミュレーション ~金融庁 資産運用シミュレーションより~

私も大学にいたときは、「研究ができれば良い、給料の多寡は二の次だ」と思っており、お金についてしっかりと考えていませんでした。

ただ、30歳を超えてくると、自分の老後や配偶者、子供に対する金銭的な心配も出てくるようになり、「給料もある程度多くもらいたい」という気持ちが大きくなってきます。

まさひろ

もしあなたがまだ若くてバリバリ働けるポスドク・助教の方でしたら、一度民間企業転職できた場合の年収や福利厚生を比較し、今後自分自身がどのようなキャリア、人生を歩みたいか考えてみてくださいね

【ポスドク・助教】民間企業への転職を成功させるには?

分岐

ここまでで、大学時代の残業代や休日出勤についてくわしく見てきました。

ともこさん

残業するのは良いですが、確実に残業代がもらえる企業は魅力的ですね。
企業転職を少し考えてみたいのですが、具体的にどのように行動すれば企業転職を成功させることができるのでしょうか?

現在ポスドク・助教をされておられる方が、民間企業転職を成功させるコツは以下の4点です。

大学→企業転職を成功させるコツ
  1. 【時間の確保】他人を活用して効率的に動くべし
  2. 【求人探し】非公開求人を探すべし
  3. 【職務経歴書】企業に受け入れられやすい言葉に「翻訳」すべし
  4. 【面接対策】企業側の懸念点を理解し面接官を安心させるべし

参考:【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させるコツ|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう

【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させる方法|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう
【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させるコツ|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れようポスドク・助教をしているけれど、より良い研究環境を求めて民間企業転職を考え始めている人はいませんか?本記事では、大学から企業への転職を成功させた私が、民間企業転職を成功させるためのコツをくわしく説明していきます。本記事を読めば、自信を持って企業転職の一歩を踏み出せるようになりますよ。...

特に、民間企業の研究職への転職を考えている人は「非公開求人」を徹底的に探すことが重要になります。

大衆向けの就活・転職サイトに登録されている求人を確認したことがある人は多いと思いますが、実はそれらの公開求人の他に、大々的には公開していない非公開求人というものが存在しています。

研究職ポジションなどの専門性が高い職種は、競合企業に内部戦略を知られないように求人を完全公開しないことが多いのです。

ともこさん

非公開求人というものがあるんですね!?
でも、どうやって探せばよいのでしょうか?

非公開求人を確認するための一つの方法は、直接企業に問い合わせてみることです。

もしあなたが、学会や特許情報などを通じて「この企業はこの研究をしているはず」という情報を掴んでいるのであれば、履歴書とともに直接企業に問い合わせることで非公開の求人情報を入手できる可能性があります。

ただ、やはり1社1社直接企業に問い合わせるのも非常に骨の折れる作業になります。

効率的に非公開求人情報を手に入れるには、「転職エージェント」が持っている非公開求人リストを入手するのがおすすめです。

転職エージェントは各企業とマッチングする求職者にだけ求人情報を提示していることから企業と親密な関係を築いることが多く、秘密性の高い非公開求人情報を多数保有しています。

ともこさん

優秀な人材を多数紹介してきた転職エージェントへの信頼性の高さによって、企業側も非公開求人という秘匿性の高い情報を特別に渡しているのですね

そのような非公開求人情報を手に入れられるだけでなく、職務経歴書の添削や面談対策まで、徹底してあなたの転職活動をサポートしてくれます。

ここまで手厚くサポートしてくれる転職エージェントですが、企業からの報奨金で運営しているため転職希望者は完全無料で利用できます

転職エージェント_関係図

まさひろ

完全無料で利用できますので、今すぐに民間企業転職を考えてなくても「良い求人が出てきたら紹介してください」とエージェントに依頼しておくのもよいですね

アカデミア出身者 (ポスドク・助教・准教授)に おすすめの転職エージェントは以下の記事でくわしく紹介しています。

メリットだけでなくデメリットも踏まえて解説していますので、民間企業転職を考えている方は是非参考にしてみてください。

【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させる方法|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう
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【まとめ】残業代が出るかどうかも重要な労働条件!

本記事では、「もし大学で働くポスドクが残業代や休日出勤手当をもらえていたらどのくらい年収が増えるのか?」を実際のケースをもとに算出してきました。

項目算出結果
残業時間90時間/月
休日出勤時間56時間/月
給料増加額
(月当たり)
約34万円/月
給料増加額
(年当たり)
約410万円/年

ポスドク時代に残業代や休日出勤手当がでていたら、年間410万円もの給料増になっていたことがわかりました。

私も企業就職前は、「長時間労働しているけど、好きな研究ができているからまあ良いかな」と軽く考えていました。

しかし、残業代が出る民間企業転職後の今、実際に算出した数値を見てみると「なかなかすごいことをしていたなあ」と思います。

民間企業転職は、残業代がしっかり出る他にも年収福利厚生任期の点で優れている場合が多いので、そのような情報を踏まえて一度あなたの将来のキャリアを見つめ直してみてはいかがでしょうか

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まさひろ

転職を支援してくれる専門サービスも存在します。
職務経歴書へのアドバイスや面談対策、日程調整まで細かにサポートしてくれますので、本気で転職を考えている人は是非調べてみてくださいね

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以上で、ポスドクの残業事情の解説は終わりです。

質問等ありましたら、問い合わせフォームもしくはTwitterからお問い合わせください。

お疲れ様でした!