ポスドク・助教

民間企業の福利厚生がすごい!ポスドク(特任助教)時代の待遇と徹底比較【126万円/年】

民間企業の福利厚生がすごい!ポスドク(特任助教)時代の待遇と徹底比較【126万円/年】

※記事内には一部PRを含む場合があります

現在ポスドクや助教をされておられる方の中には、「自分がもし民間企業に転職したらどのくらい福利厚生が変わるんだろうか?」と疑問に思われている方も多いと思います。

  • お金の話は知り合いでもなかなか聞きづらい
  • 大学にいる周りの先生の事情もよく知らないのに、ましてアカデミア出身者の企業転職後の情報なんてほとんど手に入らないよ…
  • 実際に民間企業転職した人の“リアルな福利厚生事情”を知りたい

企業と大学の福利厚生に関する情報は、知りたいと思ってもなかなか手に入れられませんよね。

この記事では、そんな気になる民間企業転職前後の福利厚生情報を内訳別に紹介していきます。

本記事を読むことで、ポスドクと企業研究所における福利厚生事情の“リアル”を知ることができますよ。

本記事の信頼性

本記事の筆者は、大学助教から企業研究職への転職実績があります。そんな私自身の福利厚生事情を紹介していきますね。

福利厚生比較【民間企業 vs ポスドク】

ポスドク・助教が民間転職することによって、どのくらい福利厚生が変わるかをお示ししていきます。

特任助教だった私が民間企業に転職したあとに、実際に利用することができた福利厚生は以下のとおりです。

大学
特任助教
企業
研究職
家賃補助0万円/年60万円/年
家族手当
(配偶者1名を想定)
0万円/年25万円/年
企業型
確定拠出年金
(DC)
0万円/年12万円/年
カフェテリア
補助
0万円/年6万円/年
食事手当0万円/年6万円/年
自社株買い
補助
0万円/年5万円/年
財形補助0万円/年12万円/年
合計0万円/年126万円/年

※30歳時の手当額
※「大学・特任助教」の契約形態は、「3年任期、更新なし、年俸制、契約社員」
※上記表には年額として簡単に比較しやすい項目のみをピックアップしましたが、その他にも有給休暇や育児休暇の取りやすさや、出張日当、引越費用補助、託児所利用など、多くの違いがあります

ともこさん

年間126万円、月額10万円分も福利厚生でもらえるなんてすごいですね!

まさひろ

それでは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう

福利厚生比較①:家賃補助

アパート

大学と企業の福利厚生比較1つ目は「家賃補助」です。

大学
特任助教
企業
研究職
家賃補助0万円/年60万円/年

会社や家庭環境により受給金額は変化しますが、企業では家賃補助として月額3万円~8万円程度もらえる場合が多いです。

月額30万円もらっている人で家賃補助が6万円の場合、20%も収入が増えることになりますので非常にありがたい補助になります。

ともこさん

家賃補助6万円ももらえるなら、ちょっと都会のアパートでも負担間少なく住むことができますね

非正規扱いのポスドクや特任助教の場合、基本的にはこのような家賃補助はありません

まさひろ

私が特任助教だったときも、契約書には明確に「家賃補助0円」と記載されていました

家賃補助がもらえる正規職員だとしても、国立大学だと22,000円/月の場合が多いようです。

企業の補助の手厚さがわかりますよね。

福利厚生比較②:家族手当

家族

大学と企業の福利厚生比較2つ目は「家族手当」です。

大学
特任助教
企業
研究職
家族手当
(配偶者1名を想定)
0万円/年25万円/年

こちらも会社や家族構成で異なりますが、扶養家族の人数にあわせて月額2万円~3万円程度の家族手当をもらうことができます。

少子高齢化社会の今、家庭を支えてくれるサポートは非常に素晴らしい制度です。

まさひろ

例えば奥さんが扶養の範囲で月額8万円をパートで稼いでいるとすると、ここにさらに2万円の家族手当が上乗せされるのは大変助かりますよね

ポスドクの場合にはこの家族手当もありませんでした

まだ若くて家庭を持っている人自体も少ないのでしょうが、もう少しサポートがあってもいいのになと思います。

福利厚生比較③:企業型確定拠出年金(DC)

積立投資

大学と企業の福利厚生比較3つ目は「企業型確定拠出年金(DC)」です。

大学
特任助教
企業
研究職
企業型
確定拠出年金
(DC)
0万円/年12万円/年

企業では、「企業型確定拠出年金(DC)」を採用しているところが多く、毎月会社のお金で積立投資をすることができます

月額2,000円~25,000円程度の範囲で積立額が設定されており、積み立てたお金は退職時に退職金の一部として受け取ることができます

まさひろ

税制優遇制度にもなっており、大変オトクな制度になります

ポスドクのときはDC含め退職金積立は全くゼロでしたので、退職時には1円も退職金はもらえませんでした。

福利厚生比較④:カフェテリア補助

ネットショッピング

大学と企業の福利厚生比較4つ目は「カフェテリア補助」です。

大学
特任助教
企業
研究職
カフェテリア
補助
0万円/年6万円/年

企業では、毎年決まった金額(約6万円)以内で、日常生活費をサポートしてくれるカフェテリア補助を導入しているところがあります。

例えば、ホテル代や医療費、PC購入費、スポーツ用品購入代、子育て費用など、様々なプラン、使用先を選んで金銭的補助を受けることができます。

またこのポイントとは別に、映画やレジャー施設等の割引券をもらうこともできますので、日常生活を充実させる手助けをしてくれます。

大学のときはこのような制度はありませんでしたので、企業に入ってから驚いたことの1つです。

まさひろ

似たような割引制度はありましたが、利用先が微妙で一回も使ったことはありませんでした…

福利厚生比較⑤:食事手当

ランチ

大学と企業の福利厚生比較5つ目は「食事手当」です。

大学
特任助教
企業
研究職
食事手当0万円/年6万円/年

企業では昼食に対する補助として毎食250円程度の補助を出してくれています。

食堂での食事の場合は元から割り引いてあるので気づいていない人もいますが、年間6万円程度と大きな補助を受けることができます。

ともこさん

塵も積もれば、で想像以上に大きな補助をしてもらっているのですね

当たり前ですが、ポスドクのときは食事手当のようなものは全くありませんでした。

福利厚生比較⑥:自社株買い補助

株式

大学と企業の福利厚生比較6つ目は「自社株買い補助」です。

大学
特任助教
企業
研究職
自社株買い
補助
0万円/年5万円/年

株式会社ならではだと思いますが、ほとんどの株式会社では自社株買いに対する補助制度があります。

企業としても、

  • 株を簡単に手放さない自社の社員に買ってもらうことで安定的な経営ができる
  • 社員が企業に愛着を持ってくれる

といったメリットがあるため、積極的に自社株買いを推奨しています。

株式会社でない大学では、もちろんこのような補助制度はありません

福利厚生比較⑦:財形補助

貯金

大学と企業の福利厚生比較7つ目は「財形補助」です。

大学
特任助教
企業
研究職
財形補助0万円/年12万円/年

最後に財形補助ですが、将来的な一軒家購入や日常的な貯金などを目的とした財産形成を補助してくれる制度があります。

自分自身が給与天引きで一定額ずつ貯金すると、数%程度企業から財形補助という形で奨励金を受け取れます。

年額12万円程度プラスで貯金することができ、大変オトクな制度になっています。

ポスドクのときはこのような制度はありません

まさひろ

そもそも研究のことしか考えていなかったので、財形制度があったとしても見向きもしなかったと思いますが、やはり企業は太っ腹だなあと思います

【ポスドク・助教】民間企業への転職を成功させるには?

分岐

ここまでで、企業研究員とポスドクの福利厚生比較をくわしく見てきました。

ともこさん

やはり企業の福利厚生は手厚いんですね。
企業転職を考えてみたいのですが、具体的にどのように行動すれば企業転職を成功させることができるのでしょうか?

現在ポスドク・助教をされておられる方が、民間企業転職を成功させるコツは以下の4点です。

大学→企業転職を成功させるコツ
  1. 【時間の確保】他人を活用して効率的に動くべし
  2. 【求人探し】非公開求人を探すべし
  3. 【職務経歴書】企業に受け入れられやすい言葉に「翻訳」すべし
  4. 【面接対策】企業側の懸念点を理解し面接官を安心させるべし

参考:【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させるコツ|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう

【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させる方法|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう
【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させるコツ|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れようポスドク・助教をしているけれど、より良い研究環境を求めて民間企業転職を考え始めている人はいませんか?本記事では、大学から企業への転職を成功させた私が、民間企業転職を成功させるためのコツをくわしく説明していきます。本記事を読めば、自信を持って企業転職の一歩を踏み出せるようになりますよ。...

特に、民間企業の研究職への転職を考えている人は「非公開求人」を徹底的に探すことが重要になります。

大衆向けの就活・転職サイトに登録されている求人を確認したことがある人は多いと思いますが、実はそれらの公開求人の他に、大々的には公開していない非公開求人というものが存在しています。

研究職ポジションなどの専門性が高い職種は、競合企業に内部戦略を知られないように求人を完全公開しないことが多いのです。

ともこさん

非公開求人というものがあるんですね!?
でも、どうやって探せばよいのでしょうか?

非公開求人を確認するための一つの方法は、直接企業に問い合わせてみることです。

もしあなたが、学会や特許情報などを通じて「この企業はこの研究をしているはず」という情報を掴んでいるのであれば、履歴書とともに直接企業に問い合わせることで非公開の求人情報を入手できる可能性があります。

ただ、やはり1社1社直接企業に問い合わせるのも非常に骨の折れる作業になります。

効率的に非公開求人情報を手に入れるには、「転職エージェント」が持っている非公開求人リストを入手するのがおすすめです。

転職エージェントは各企業とマッチングする求職者にだけ求人情報を提示していることから企業と親密な関係を築いることが多く、秘密性の高い非公開求人情報を多数保有しています。

ともこさん

優秀な人材を多数紹介してきた転職エージェントへの信頼性の高さによって、企業側も非公開求人という秘匿性の高い情報を特別に渡しているのですね

そのような非公開求人情報を手に入れられるだけでなく、職務経歴書の添削や面談対策まで、徹底してあなたの転職活動をサポートしてくれます。

ここまで手厚くサポートしてくれる転職エージェントですが、企業からの報奨金で運営しているため転職希望者は完全無料で利用できます

転職エージェント_関係図

まさひろ

完全無料で利用できますので、今すぐに民間企業転職を考えてなくても「良い求人が出てきたら紹介してください」とエージェントに依頼しておくのもよいですね

アカデミア出身者 (ポスドク・助教・准教授)に おすすめの転職エージェントは以下の記事でくわしく紹介しています。

メリットだけでなくデメリットも踏まえて解説していますので、民間企業転職を考えている方は是非参考にしてみてください。

【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させる方法|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう
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【まとめ】企業の福利厚生は大変充実している!

本記事では、ポスドクから民間企業研究職に転職した私が、企業研究員とポスドクの福利厚生比較を紹介してきました。

大学
特任助教
企業
研究職
家賃補助0万円/年60万円/年
家族手当
(配偶者1名を想定)
0万円/年25万円/年
企業型
確定拠出年金
(DC)
0万円/年12万円/年
カフェテリア
補助
0万円/年6万円/年
食事手当0万円/年6万円/年
自社株買い
補助
0万円/年5万円/年
財形補助0万円/年12万円/年
合計0万円/年126万円/年

非正規職員扱いのポスドクはほとんど福利厚生が使えない一方、企業では年間120万円以上の福利厚生を使えるということがわかりました。

私も企業就職前は、なんとなく「まあ、企業の方が良いのは良いんだろうなぁ」くらいに考えていましたが、改めて数値にしてみると大きな差があることに驚きました。

民間企業転職は、福利厚生の他にも年収任期、勤務時間の点で優れている場合が多いので、そのような情報を踏まえて一度あなたの将来のキャリアを見つめ直してみてはいかがでしょうか

【ポスドク・助教】民間企業転職を成功させる方法|年収50%アップ&任期なしの研究環境を手に入れよう
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まさひろ

転職を支援してくれる専門サービスも存在します。
職務経歴書へのアドバイスや面談対策、日程調整まで細かにサポートしてくれますので、本気で転職を考えている人は是非調べてみてくださいね

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以上で、企業研究員とポスドクの福利厚生比較の紹介は終わりです。

質問等ありましたら、問い合わせフォームもしくはTwitterからお問い合わせください。

お疲れ様でした!