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現在大学で働いているポスドクや任期付きの助教の人の中には、新たな研究環境を求めて民間企業への転職を考えている人もおられると思います。
民間企業の労働環境の良さには憧れがあっても、アカデミアという枠を超えて経験のない企業転職は不安に感じますよね。
この記事では、最近の転職市場状況を踏まえながらポスドク・助教が民間企業に採用されやすいと考える理由をくわしく説明していきます。
本記事を読むことで、企業転職という新たな一歩を自信を持って踏み出せるようになりますよ。
ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由
アカデミアを経験しているポスドクや助教、准教授の人が、民間企業に採用されやすい理由は以下の4点です。
理由①:アカデミックスキルは企業でもそのまま通用する
ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由の1つ目は「アカデミックスキルが企業でもそのまま通用するから」です。
大学で身についた研究遂行のためのアカデミックスキルは、企業でもそのまま通用する場面が多いです。
アカデミックスキルには、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 論理的思考力
- ライティングスキル
- 発想力(独自アイデア創出)
- 情報収集能力
- 財務管理能力
- 教育能力
etc…
論理的思考力や情報収集能力、教育能力といった能力は、企業で研究を進める場合でも必須のスキルです。
その証拠に、民間企業ではこれらの能力を入社後に鍛えるための階層別研修が必修となっています。
社内研修には莫大な費用がかかっており、そのような投資をしてでも社員に習得してもらわなければならない能力ということです
また、先に挙げた能力の中には、部長級になってから受けはじめるような研修もあります。
つまり、ポスドクや助教の方は、アカデミアでの研究活動という厳しい経験を通して、企業の部長クラスが修得すべき能力をすでに持っている可能性が高いということなのです。
ポスドクや助教の方の中には本当に素晴らしい能力を持った人材がとても多いと感じています
理由②:企業の中途採用が積極化している
ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由の2つ目は「企業の中途採用が積極化しているから」です。
終身雇用の崩壊が叫ばれて久しくなりましたが、それに伴って中途採用市場が右肩上がりで盛り上がってきています。
以下のグラフをご覧ください
こちらのグラフは、2014年から2021年下期までの転職市場の推移です(doda公式HPより引用)。
黄緑色の求人数に注目してみると、コロナショックにより2020年上期に大きく落ち込みましたが、すぐに回復基調に転じ、現在では急速な市場拡大傾向が続いています。
つまり、中途人材を必要とする企業が増えてきているということですね
最近の急速なトレンド変化(脱炭素、AI、DX等)に対応し続けるためには、その時々の時流に合わせて即戦力となる人材を採用し続ける必要があります。
そのような背景から、新卒一括採用、終身雇用という従来の日本式採用形態から、中途採用重視へとトレンドが変化しているのです。
求人対象にはアカデミア人材ももちろん含まれており、中途採用される可能性が年々高くなっていると言えます
理由③:アカデミア経験人材は今後ますます需要が高まる
ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由の3つ目は「アカデミア経験人材は今後ますます需要が高まるから」です。
これは民間企業で実際に働いていて肌で感じていることなのですが、アカデミア人材は今後さらに企業で必要とされると予測されます。
2022年現在、人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)、マテリアルズインフォマティクス(MI)、カーボンニュートラルなどのような大きな変革のタイミングにあり、企業もそれらを取り込んだ「変化」が求められています。
コロナ流行を境に、ニュースやネット記事でも「変化が求められる企業」のような言説で語られることがさらに多くなってきましたよね
先が見えない変革の時代を生き抜くためには、常に最新の情報にアンテナをはり、新たなアイデアを生み出し続ける能力やバイタリティを持った人材が必要になります。
この需要にピッタリの能力を持ち合わせているアカデミア人材は、今後さらに企業に採用されやすくなるだろうと推測されます。
こういった先の見えない時代を生き抜けられるような人材は、残念ながら企業にはほとんどいないと感じています
アカデミア人材はまさに今、社会に必要とされているのです
理由④:企業側も大学でのキャリアアップの難しさに理解がある
ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由の4つ目は「企業側も大学でのキャリアアップの難しさに理解があるから」です。
「アカデミア人材が求められている」とは言っても、准教授や教授クラスにまで昇進していないと採用されづらいのではないのですか?
実はそうでもないのですよ
最近ではポスドク問題、アカデミックポジション不足問題や理不尽な内部昇進人事が企業の中でも知れ渡ってきており、簡単に准教授や教授にはなれないことは企業の人にとっても常識になりつつあります。
ポスドクや助教の中にも埋もれている優秀な人材がいると期待されており、積極的に採用される可能性が高くなります。
むしろ、年齢の高い准教授以上の人よりも、少しでも若いポスドクや助教のほうが企業としては採用しやすいです。
30歳代あたりの人だと短期間で管理職クラスへ昇進する可能性も高く、早めに転職を考えることが得策であると言えます。
大学から企業転職された私の先輩も、入社後3年で一気に管理職クラスの職位に昇進していましたよ
【ポスドク・助教】民間企業への転職を成功させるには?
ここまでで、ポスドク・助教が民間企業に採用されやすいと考える理由をくわしく紹介してきました。
アカデミア人材が民間企業に採用されやすい環境にあることはわかりましたが、具体的にどのように行動すれば企業転職を成功させることができるのですか?
現在ポスドク・助教をされておられる方が、民間企業転職を成功させるコツは以下の4点です。
- 【時間の確保】他人を活用して効率的に動くべし
- 【求人探し】非公開求人を探すべし
- 【職務経歴書】企業に受け入れられやすい言葉に「翻訳」すべし
- 【面接対策】企業側の懸念点を理解し面接官を安心させるべし
特に、民間企業の研究職への転職を考えている人は「非公開求人」を徹底的に探すことが重要になります。
大衆向けの就活・転職サイトに登録されている求人を確認したことがある人は多いと思いますが、実はそれらの公開求人の他に、大々的には公開していない非公開求人というものが存在しています。
研究職ポジションなどの専門性が高い職種は、競合企業に内部戦略を知られないように求人を完全公開しないことが多いのです。
非公開求人というものがあるんですね!?
でも、どうやって探せばよいのでしょうか?
非公開求人を確認するための一つの方法は、直接企業に問い合わせてみることです。
もしあなたが、学会や特許情報などを通じて「この企業はこの研究をしているはず」という情報を掴んでいるのであれば、履歴書とともに直接企業に問い合わせることで非公開の求人情報を入手できる可能性があります。
ただ、やはり1社1社直接企業に問い合わせるのも非常に骨の折れる作業になります。
効率的に非公開求人情報を手に入れるには、「転職エージェント」が持っている非公開求人リストを入手するのがおすすめです。
転職エージェントは各企業とマッチングする求職者にだけ求人情報を提示していることから企業と親密な関係を築いることが多く、秘密性の高い非公開求人情報を多数保有しています。
優秀な人材を多数紹介してきた転職エージェントへの信頼性の高さによって、企業側も非公開求人という秘匿性の高い情報を特別に渡しているのですね
そのような非公開求人情報を手に入れられるだけでなく、職務経歴書の添削や面談対策まで、徹底してあなたの転職活動をサポートしてくれます。
ここまで手厚くサポートしてくれる転職エージェントですが、企業からの報奨金で運営しているため転職希望者は完全無料で利用できます。
完全無料で利用できますので、今すぐに民間企業転職を考えてなくても「良い求人が出てきたら紹介してください」とエージェントに依頼しておくのもよいですね
アカデミア出身者 (ポスドク・助教・准教授)に おすすめの転職エージェントは以下の記事でくわしく紹介しています。
メリットだけでなくデメリットも踏まえて解説していますので、民間企業転職を考えている方は是非参考にしてみてください。
【まとめ】アカデミア経験者は民間企業に求められている!
本記事では、ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由をくわしく解説してきました。
- アカデミックスキルは企業でもそのまま通用するから
- 企業の中途採用が積極化しているから
- アカデミア経験人材は今後ますます需要が高まるから
- 企業側も大学でのキャリアアップの難しさに理解があるから
ポスドクや助教などのアカデミア経験者は、論理的思考力やコミュニケーション能力、資料作成能力などが優れている人が多いです。
中途採用の活発化や変化が求められる時代への対応など、優秀なアカデミア人材の需要は年々高まっています。
本記事の内容を参考に、企業転職を成功させるための第一歩を踏み出してみてください
以上で、ポスドク・助教が民間企業に採用されやすい理由の解説は終わりです。
質問等ありましたら、問い合わせフォームもしくはTwitterでからお問い合わせください。
お疲れ様でした!