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現在博士課程で研究活動に頑張っておられる方の中には、「研究が忙しいけどそろそろ就活を始めないとなぁ…」と考え始めた人もおられるのではと思います。
博士新卒の就活は、採用枠の少なさなどのネガティブな話を聞くことが多いうえ、周りの企業就活経験者も少ないので不安に感じますよね。
この記事では、博士課程のときに実際に企業就職活動を経験し最終的に特任助教から民間企業転職を成功させた私が、博士新卒の民間企業就活を成功させるためのコツをくわしく説明していきます。
本記事を読むことで、自信を持って就職活動の一歩を踏み出せるようになりますよ。
博士新卒の強み・メリット
博士新卒の就職活動のコツを見る前に、まずは企業就職における博士新卒の強みと弱みを理解しておきましょう。
これにより、就職活動において自分が何をアピールすべきか、何に気をつければよいのかを把握することができます。
博士新卒の強み・メリットは以下の6点です。
今すぐ博士新卒の民間企業就職を成功させるコツを見たい方はこちらからどうぞ!
メリット①:【年収】初任給・年収が高い
博士新卒の強み・メリットの1つ目は「初任給・年収が高いこと」です。
現在博士課程に在籍中の方は、一度は四季報などで博士新卒の初任給を確認されたことがある人がほとんどなのではないでしょうか?
学部新卒の初任給が約20万円、修士新卒が約23~24万円のところ、博士新卒には27~28万円程度の初任給を設定している企業が多いです。
私の入社した会社もこのくらいの初任給に設定されていましたね
もちろん、「年齢が高いからその分初任給が数万円高くなるのは当たり前」というよくあるツッコミはごもっともだと思います。
しかし、それ以上に博士と修士とで待遇差がつくのは入社後数年経ったあとの昇進のスピードにあります。
これについては次の章で詳しく述べますが、昇進スピードが早いことにより十数年勤務した後の年収は修士卒と比べても大きな差がつく場合が多いのです。
メリット②:【昇進】昇進が早い
博士新卒の強み・メリットの2つ目は「昇進が早いこと」です。
先の章でも述べましたが、博士卒の昇進スピードは学部卒や修士卒と比べて圧倒的に早いです。
私も入社前に想像していたよりも博士卒の昇進スピードは遥かに早いなと実感しています
例えば、管理職のポジションに就くまでに4段階の階級が設定されている会社があるとします。
まず入社時点で学部が階級【1】からスタートするとすると、修士も階級【1】、博士のみ階級【2】からキャリアが始まります。
博士卒のみスタート地点ですでに昇進している状態なのですね
その後のおおよその昇進スピードは以下の表のようになります。
※浪人や留年をせずに「大学4年間、修士2年間、博士3年間」で卒業したモデルケースで設定しています
学部卒 | 修士卒 | 博士卒 | |
---|---|---|---|
22歳 | 1 | ||
23歳 | 1 | ||
24歳 | 1 | 1 | |
25歳 | 1 | 1 | |
26歳 | 1 | 1 | |
27歳 | 2 | 2 | 2 |
28歳 | 2 | 2 | 3 |
29歳 | 2 | 2 | 3 |
30歳 | 2 | 3 | 4 |
31歳 | 2 | 3 | 4 |
32歳 | 3 | 3 | 管理職 |
33歳 | 3 | 4 | 管理職 |
こちらの表を見てわかるように、同じ年齢で比べると博士卒が常に高い階級に居ることがわかります。
学部卒で5年おき、修士卒で3年おき、博士卒で2年おきくらいに昇進するイメージなのですね。
かなり大きな昇進スピードの差がありますね
給料で言うと、1階級昇進するごとに月額基本給で1~2万円程度昇給します。
ですので、ボーナスを含めた年収で見たときには、博士卒がまだ管理職になっていない31歳時点でも100~200万円程度差がつくケースが多いです。
また、上表は管理職になるまでのモデルケースを紹介していますが、博士卒の場合は管理職になったあとの伸びしろも大きく、学部卒や修士卒が生涯上がれないような階級へも平気で昇進していく人が多いです。
博士号を取得した人は、マネジメント力はじめ総合的な能力が高い人が多いです。
結果として、企業の経営層まで上り詰める人も一定数存在するのだと感じています
メリット③:【配属】入社後の配属希望が通りやすい (特に研究部門)
博士新卒の強み・メリットの3つ目は「入社後の配属希望が通りやすいこと」です。
企業に新卒入社した人は、学部、修士、博士を問わず、まずは数ヶ月間人事部のもとで研修が行われます。
研修が終わる直前に各人が配属希望を提出し、企業側の募集ポジション数と新卒社員の適性を見ながら配属先が決定されます。
この際、学部卒、修士卒の人は希望部署に配属されない場合も多く、例えば研究職を志望していても営業や人事部に回されることも当たり前に起こります。
一方、博士新卒の場合は、採用活動時に希望配属部署とのマッチング面談も行い、企業側も確実にその部署に入ってもらう前提で内定を出しますので、ほぼ100%希望の部署に配属されます。
学部卒・修士卒の学生が「配属ガチャ」に怯える中、博士卒は希望通り配属先が決まっているのは羨ましいですね
メリット④:【海外】海外駐在できる可能性が高い
博士新卒の強み・メリットの4つ目は「海外駐在できる可能性が高いこと」です。
現在博士課程の学生をされている方の中には、国際学会での発表や英語論文執筆、海外の研究留学など、英語を生かしながら研究活動をされている人が多いのではないでしょうか?
そのような英語力のある博士号取得者は、企業入社後に海外駐在できる可能性が高くなります。
私自身は海外駐在したいという希望は今のところ無いのですが、海外駐在のメリットはなにかあるのでしょうか?
企業での海外駐在の一番のメリットは金銭面の優遇にあります。
企業で海外駐在する場合、例えば以下のような金銭的補助が追加で受けられるため、額面で1.3倍~1.5倍、手取りで1.5倍~1.8倍程度もらえるお金が多くなると言われています。
- 住民税、所得税の一部を会社が負担 (駐在先の税制が大きく異なるため)
- ハードシップ手当 (後進国であれば20~30万円/月もらえることも)
- 住宅手当 (日本勤務時よりも多くもらえる。50~100%会社負担の場合が多い)
- 出張手当 (海外駐在中は長期出張が多くなるため日当等が多くなる)
- 車本体・ガソリン代 (必要経費として100%近く会社が負担)
- お手伝いさん (駐在先によるが、こちらも必要経費として会社負担)
1.5倍~1.8倍高い給料がもらえるのはすごいですね!
他にも、
- マネジメント能力が向上する
- 昇進しやすくなる
- 転職時の年収査定が高くなる
- 英語力が向上する
など、海外駐在には大きなメリットがあります。
あなたの配属先で少しでも海外駐在の可能性があれば、博士の実績を基にして是非積極的に志願してみましょう。
メリット⑤:【学歴】学歴 (大学偏差値) をあまり見られない
博士新卒の強み・メリットの5つ目は「学歴 (大学偏差値) をあまり見られないこと」です。
学部新卒や修士新卒の場合、大学の偏差値が低いとどうしても採用されにくくなってしまいます。
「学歴フィルター」なんて言葉があるくらいですもんね
しかし、博士新卒の場合は違います。
博士新卒に最も求められるのは各企業が必要とする専門性とのマッチングですので、大学偏差値という画一的な基準はほとんど見られることはありません。
修士卒の段階では受からないだろうと考えていたような人気の企業であっても、専門が一致する研究部門があれば積極的にエントリーしてみましょう。
メリット⑥:【推薦】推薦の有無もあまり関係ない
博士新卒の強み・メリットの6つ目は「推薦の有無が関係ないこと」です。
学部卒や修士卒の場合、学校推薦の影響が強いため、推薦の有無で採用されやすさが大きく変わる場合が多いです。
春の推薦枠の取り合い合戦はもはや風物詩ですよね
一方、博士新卒の場合は研究内容とのマッチングが重要視されることから、ほとんどの企業で博士推薦枠はなく推薦の煩わしさを気にする必要がありません。
推薦選考の面倒くさいポイントである、
- 希望企業の推薦を取るためにGPAを高く保つ必要がある
- 就活担当の教授との調整が必要
- 複数企業の選考がしにくくなる
などを気にしなくても良いのも、博士就活のメリットですね。
博士新卒の弱み・デメリット
次に、博士新卒が企業就活する際の弱み・デメリットを見ていきましょう。
民間企業就活に対する博士新卒の弱みは以下の3点です。
デメリット①:年齢の高さはマイナス要素
博士新卒の弱み・デメリットの1つ目は「年齢の高さがマイナス要素になること」です。
民間企業は、基本的に高齢の人よりも若い人を優先的に採用します。
これは、年齢が高くなるほど年功序列で年収が高くなったり、その人の人間性が固まっていて再教育が難しいといったことが理由にあります。
博士新卒の場合、修士卒・学部卒と比較すると3年~5年遅れて就職するため、企業としては「本当に入社後に活躍できる人材なのか?」をシビアに見定めて採用することになります。
年齢の高さがマイナス要素になるのであれば、博士はどこの企業でも簡単に採用してもらえるわけではなさそうですね…
私も博士就活のときに専門と外れた企業にもエントリーしてみましたが、書類選考すら通過しませんでしたね…
一方で専門性がマッチした企業の場合は順調に選考が進んでいきました
企業が年齢の高さというマイナス要素を差し引いてでも採用したいと思われるよう、本当にあなたにマッチした求人をいかに見つけ出すか?が博士就活を成功させる鍵の1つになります。
デメリット②:専門性の一致が難しい
博士新卒の弱み・デメリットの2つ目は「専門性の一致が難しいこと」です。
博士人材の専門性の高さは、企業側の需要と一致すれば大きな魅力に見える一方で、専門がそのまま活かせる求人が少ないという現実があります。
最近需要が高まっている情報系やデータ分析系であれば引く手あまたですが、ニッチな分野だと簡単には自分に合う求人に出会えません。
私もたまたま1社だけピンポイントな求人を見つけられたので良かったですが、そうでなければ就職活動も大幅に長引いていたと思います
求人が少ないということを念頭に入れ、
- スカウト型の就活サイトに早めに登録しておく
- 良い求人が入り次第連絡してもらうよう、就活エージェントに依頼しておく
- より多くの非公開求人を探す
などの対策が必要になります。
デメリット③:時間が足りない/スケジュール管理が難しい
博士新卒の弱み・デメリットの3つ目は「時間が足りずスケジュール管理が難しいこと」です。
博士課程の学生は、夜間や土日にも研究活動を進めている人も多く、就職活動にあてる時間が限られています。
もちろん、平日の昼間もミーティングや後輩への指導などがあり、面談に行くのも一苦労ですよね。
対策としては、求人探しやエントリーシート(ES)の添削、面談対策をサポートしてくれる就活支援サービスを有効に活用し、あなたの時間を確保することです。
これについては、次章の「【博士新卒】民間企業への就職活動を成功させるコツ」で詳しく説明しますね
ここまで博士新卒の企業就活が難しい理由を紹介してきました。
これらの困難さを踏まえた上で、どのように立ち振る舞えば就活を成功させられるのか、その秘訣を次章で見ていきましょう。
【博士新卒】民間企業への就職活動を成功させるコツ
それでは、いよいよ博士新卒が民間企業への就職活動を成功させる方法を解説していきたいと思います。
博士新卒が民間企業への就職活動を成功させるコツは以下の6点です。
コツ①:【時間確保】他人を活用して効率的に動くべし
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるコツ1つ目は「他人を活用して効率的に動くこと」です。
デメリット③:時間が足りない/スケジュール管理が難しいでも少し触れたように、博士課程の学生は、
- 自分自身の研究活動 (実験、解析、文献調査)
- 企業、他研究室との共同研究
- 後輩への教育
- ゼミの管理
- 学会準備
- 学術論文執筆
- 博士論文執筆
etc…
などで大変忙しく、なかなか就職活動にあてる時間を確保することは難しいと思います。
そこでおすすめしたいのが、他人、つまり専用サービスや専門家を最大限活用して就職活動を効率化することです。
就職活動では、主に以下のような作業、プロセスが必要になります。
- スケジュール立て
- 自己分析
- 情報収集
- 求人探し
- 履歴書作成
- エントリーシート(ES)作成
- 応募
- 面談対策
- 面談
これらのプロセスの中でも、自己分析や情報収集、求人探し、エントリーシート作成、面談対策などは、普段から頻繁におこなうような作業でないこともあり非常に多くの時間がかかってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、就活サイトや就活エージェントといった就活サポートを専門にするサービスや専門家を利用することです。
就活支援を専門として事業をおこなっていることから非常に多くの経験や求人情報を持っており、あなたにあった求人の紹介や各企業に合わせた面談対策をサポートしてくれます。
面談対策まで付き合ってもらえるのは嬉しいですね
就活支援サービスを最大限活用することで、あなたが研究室で研究している間や後輩指導をしている間などにもエントリーシートの添削や求人探し、あるいは企業への売り込みなどを進めることができます。
これらのサービスは基本的にすべて無料で受けられますので、あなたに合った就活支援サービスを見つけて活用してみましょう。
コツ②:【開始時期】博士2年の冬には始めるべし
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるコツ2つ目は「博士2年の冬には始めること」です。
これは私自身も間違えた就活の失敗のひとつです。
修士までの就活と違い、博士新卒の場合は年中選考を受け付けている企業が多いです。
私は博士2年の2月に修士学生と混ざって本選考につながる企業説明会に参加したところ、「博士は完全に別枠だから、選考を進める場合は別途エントリーし直してください」と言われてしまいました…
ただでさえ少ない博士採用枠に対して、就活のスタートダッシュが遅れることは致命的な失敗になりえます。
遅くとも博士2年の冬には就活を始めることが重要です。
すでに博士2年の冬を過ぎてしまっていた場合はどうすればよいのでしょう…?
もしスタートダッシュが遅れてしまったという人も完全に諦める必要はありません。
博士の採用枠は少ないと説明しましたが、その分一人二人くらいは柔軟に採用枠を変動させる可能性があります。
あなたの専門が企業が求める分野に一致することを強くアピールすることができれば、多少就活開始が遅れても採用される可能性は十分にあります。
しっかりと企業調査をした上で、あなたと企業との繋がりを意識したESを作成してエントリーしてみましょう。
コツ③:【求人探し】非公開求人を探すべし
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるコツ3つ目は「非公開求人を探すこと」です。
リクナビやマイナビなどの就活ナビサイトに登録されている求人を確認したことがある人は多いと思いますが、実はそれらの公開求人の他に、大々的には公開していない非公開求人というものが存在しています。
特に研究職ポジションなどの専門性が高い職種は、競合企業に内部戦略を知られないように求人を完全公開しないことが多いのです。
非公開求人というものがあるんですね!?
でも、どうやったら確認できるんでしょうか?
非公開求人を確認するための一つの方法は、直接企業に問い合わせてみることです。
もしあなたが、学会や特許情報などを通じて「この企業はこの研究をしているはず」という情報を掴んでいるのであれば、履歴書とともに直接企業に問い合わせることで非公開の求人情報を入手できる可能性があります。
ただ、やはり1社1社直接企業に問い合わせるのも非常に骨の折れる作業になります。
効率的に非公開求人情報を手に入れるには、「就活エージェント」が持っている非公開求人リストを入手するのがおすすめです。
就活エージェントについては後ほど詳しく解説しますが、ピンポイントにマッチングする求職者にだけ求人情報を提示している就活エージェントは企業と親密な関係を築いることが多く、秘密性の高い非公開求人情報を多数保有しています。
いま少しでも民間企業への就職を考えている人は、無料登録だけしておいて良い求人が出てきたらエージェントに連絡してくれるように依頼しておくのもよいですね
コツ④:【志望動機】研究内容以外の企業の魅力も絡めるべし
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるコツ4つ目は「研究内容以外の企業の魅力も絡めること」です。
博士が就活するときの志望動機では、
- 研究内容が一致している
- これまでに身に着けてきた専門性を生かしたい
といった内容をベースに作成するのが鉄板になります。
ここからさらに魅力的な志望動機にするためには、こういった研究内容、専門性にプラスして「志望企業の魅力」を絡めながら書くことが重要です。
企業側としては、
「内定をあげても本当にうちに来てくれるのか?」
「入社してもうちの会社に愛着がなくすぐ辞められてしまうのではないか?」
といった心配を常に抱いています。
採用活動にも多額のお金を使っていると聞いたことがありますので、簡単に辞められてしまうような人を採るのは企業にとっては大きな損失になりますよね
そういった心配を解消させてあげるためにも、「この企業でないとだめな理由があるんです!」という強い意志を見せることが効果的なのです。
エントリーしようとする企業の特徴や企業精神などをしっかりと事前調査し、企業側が「この人なら大丈夫!」と思ってくれるような志望理由を作成しましょう。
コツ⑤:【研究内容】企業側の欲しい情報を推測してまとめるべし
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるコツ5つ目は「研究内容は企業側の欲しい情報を推測してまとめること」です。
博士の就活でよくある勘違いが、「研究内容や研究業績が良ければ企業は採用してくれるだろう」と思いこんでしまうことです。
今まで「専門性とのマッチングが大事」とずっと強調してきたのに、それだけではだめということですか?!
たしかに、専門性のマッチングが重要は博士学生にとって、研究内容や研究業績をしっかりとアピールすることは大切なことです。
しかし、企業は研究内容だけを見て採用するわけではなく、
- 周りの人間と問題なく関われるコミュニケーション能力
- 将来プロジェクトを管理するためのメネジメント能力
- 物事をわかりやすく伝える資料作成能力
- 次の人材を育てられる指導力
などが備わった人材かどうかもしっかりと見ています。
エントリーシートで記載する研究内容は多くの文字数入力が認められている場合が多いので、このスペースをうまく使ってあなたの魅力を最大限伝える努力をすることが大切です。
例えば、以下のような例文だと、赤字で記載しているような能力・魅力を伝えることができます。
この例は少し極端に書いているためわざとらしさが出てしまっていますが、イメージとしてはこんな感じです。
自分の今までしてきた経験や考え方をうまく企業へのアピールに繋げられるような研究内容・研究実績の書き方ができると採用確率を高められますよ。
なんとなくわかった気がします。
企業でうまく業務をこなすためのスキルも持ち合わせていることを同時にアピールするとで、より採用されやすくなるのですね
コツ⑥:【面接対策】企業側の懸念点を理解し面接官を安心させるべし
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるコツ6つ目は「面接では企業側の懸念点を理解し面接官を安心させること」です。
アカデミアという特殊な環境で生きてきた博士人材に対し、企業は「本当にこの人はうちの会社でうまく業務をこなしてくれるのか…?」という心配を少なからず持っています。
直接顔を見ながら受け答えできる面接では、その辺りの企業側の心配を先回りして解消することが面談成功の秘訣となります。
例えば、企業側の心配事として挙げられるのは以下のような事柄があります。
- 自分の専門外の仕事に対してもやる気を持って業務をしてくれるのか?
- 数年後に他部署に異動しても退職せず続けてくれるか?
- 実際に手を動かして考えながら研究を進めてくれるか?
- 管理職として他部署との社内調整も問題なくできるか?
- 部下の教育は丁寧におこなってくれるか?
- 社内の手続きや安全対策なども真面目に対応してくれるか?
etc…
私も、「専門以外のテーマになったとしても続けられる自信はありますか?」という質問は面接のたびに聞かれました。
博士人材のこだわりの強さは企業にとっては少し扱いづらいと感じているのだろうと思います
博士新卒は年齢が高いこともあり、社内教育を1から完璧に実施することも難しいので、ある程度上記の心配事に対して問題ない人を雇いたいと考えています。
これらの企業側の懸念点を解消できるような就活面接ができるように準備しておきましょう。
博士新卒の民間企業への就職活動を成功させるポイントは以上となります。
次章では、ここでお伝えした就活成功のポイントを押さえるために役立つ就活支援サービスを紹介していきます。
無料で使えるサービスのみ紹介していますので、安心して活用してみてくださいね
【博士新卒】民間企業就職に役立つ就活支援サービス
それでは、博士新卒におすすめの就活支援サービスを見ていきましょう。
おすすめの就活支援サービスは以下の4種類です。
おすすめ①:「就活エージェント」~非公開求人紹介から面談対策まで徹底したサポート~
博士新卒におすすめの就活支援サービス1つ目は「非公開求人紹介から面談対策まで徹底したサポートを受けられる”就活エージェント”」です。
就活エージェントは、求職者一人ひとりに専属のアドバイザーがつき、求人紹介からエントリーシート(ES)作成、面接対策まで徹底的に就職活動をサポートしてくれるサービスです。
- 専属アドバイザーがあなたにあった求人を紹介
- 非公開求人も多数取り扱う
- エントリーシート(ES)作成、面接対策も徹底サポート
- 就活生は完全無料
コツ④:【志望動機】研究内容以外の企業の魅力も絡めるべし で紹介した企業から評価される志望動機・ESの添削や、コツ③:【求人探し】非公開求人を探すべし で紹介した非公開求人も取り扱いますので、非常に心強いパートナーになります。
転職の場合ですが、私の知り合いもエージェント経由で非公開求人情報を手に入れてピンポイントな研究職ポジションを獲得していました
ここまで手厚くサポートしてくれる就活エージェントのサービスですが、全て完全無料で受けられます。
就活エージェントは、サポートした就活生が企業に入社した場合に企業側から報酬を受け取る仕組みになっているため、就活生は完全無料でES添削や面談対策などを受けることができるのです。
就活エージェントとして有名なのは、キャリアチケットやdoda新卒エージェント、キャリアパーク就職エージェント、キャリタス就活エージェント、マイナビ新卒紹介、アカリク就職エージェントなどがあります。
特にアカリク就職エージェント は、大学院生(修士、博士)に特化した就活サポートをおこなっており、博士新卒の方にピッタリの就活エージェントになっています。
研究を活かせる化学系メーカーである点、社会に貢献している点など、職務条件や企業理念がマッチしている企業に入社を決めることができ、納得のいく就活を行なうことができました。
アカリク就職エージェントー株式会社アカリク
アカリク就職エージェントには、大学院在籍経験のあるキャリアアドバイザーが多く、研究活動に対する”価値”を理解してくれますので、
- これまでの専門性を生かした企業に就職したい
- 研究職は譲れない
- 博士の強みをわかってくれるアドバイザーにサポートしてもらいたい
と考えている方におすすめの就活エージェントです。
これから就活が始まるという博士学生の方は、一度無料登録だけしておいて良い求人が出てきたらエージェントに連絡してくれるように依頼しておくと良いですね
\大学院生に特化した就活サポート!/
おすすめ②:「スカウト型就活サイト」~企業からのスカウトが届く~
博士新卒におすすめの就活支援サービス2つ目は「登録しておけば企業からのスカウトが届く”スカウト型就活サイト”」です。
スカウト型就活サイトは、初回登録しておくことで企業があなたの経歴を確認し都度スカウトを送ってきてくれるサイトです。
- 非公開ポジションのスカウトが来る可能性もある
- 基本的には初回登録をしたあとはスカウトが来るのを待つだけ
- よりよいポジションを見つけるためなら長期戦でもOK!な人向け
基本的には企業側からのスカウトを待つためすぐにでも内定をもらいたい人には向きませんが、必要な作業は初回の経歴登録等だけですので、長期的により良いポジションを見つけたいという人にはおすすめのサービスです。
企業側からスカウトされるということは、その時点で採用される可能性が高いということですよね。
時間を味方につけて良い企業から声をかけてもらうのを狙おうと思います
博士新卒に最もおすすめのスカウト型就活サイトはアカリクWeb です。
アカリクwebは大学院生特化のスカウト型就活サイトになります。
一人ひとりの研究内容を見た上で企業がスカウトを送ってくる形になりますので、特に自分のこれまでの専門性を生かして就職したいという理系博士の方にはピッタリのサービスです。
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その他にも、OfferBox やキミスカ 、dodaキャンパス などは、博士学生でも登録・利用が可能となっています。
それぞれのサイトで得意とする企業が異なりますので、少しでも良いスカウトを漏らさずチェックしたいという人は複数サイトへの登録がおすすめです。
おすすめ③:「求人型就活サイト」~求人情報を幅広く確認~
博士新卒におすすめの就活支援サービス3つ目は「求人情報を幅広く確認できる”求人型就活サイト”」です。
求人型就活サイトは、現時点で公開されている多くの求人情報を確認できるサイトです。
- 幅広い分野から多数の求人を掲載
- 絞り込み機能で自分にあった求人を探しやすい
- 就職市場の需要把握に役立つ
就活エージェントのような徹底的なサポートは受けられないものの、非常に多くの求人情報を絞り込み機能を活用しながら確認することができますので、自分が少しでも興味がある分野における市場の需要を把握することができます。
求人型就活サイトとして有名なのは、マイナビやリクナビなどがあります。
求人型就活サイトで求人情報の概要を掴みつつ、就活エージェントによるサポートを受けて内定につなげましょう。
おすすめ④:「市場価値チェックサービス」~自分の適正年収を確認~
博士新卒におすすめの就活支援サービス4つ目は「自分の適正年収を確認できる”市場価値チェックサービス”」です。
年齢、経歴、スキル等の情報を入れることで、これまでの求人情報と自動で照会しあなたの適正年収を提示してくれるサービスになります。
すでに高い専門性を持っている博士新卒の人は、どの程度自分自身が就職市場で評価されるのかを知ることは重要です。
市場価値チェックサービスを提供している代表的なサイトは「ミイダス 」というサイトになります。
ミイダスの場合、特にスキルに関して細かく診断しており、経験のある技術(フィルタ、渡航、重合、合成、分散、etc…)や分析機器(SEM、TEM、XRD、AFM、etc…)など、研究者にとって馴染みのあるスキルも評価対象になっています。
特に理系の研究者は、強みとしてアピールできる技術がたくさんありそうだったという人も多いのではないでしょうか?
私自身も今現在の状況を正直に入力して試してみました。
現状の年収450万円のところ、診断後に表示された累積ユーザーのオファー年収実績は672万円という結果が出ました。
この年収実績はあくまで参考値にはなりますが、ユーザー登録まで完了させることで今現在募集されているあなたにあった求人も確認することができます。
さらに、ミイダスでは「コンピテーション診断」も無料でおこなうことができ、こちらも人気のサービスとなっています。
例えば、職種の適正やストレスを感じやすい環境、あなた自身の強みなどを客観的に分析してくれますので、企業就職後に「こんなはずじゃなかった…」という後悔を未然に防げる可能性が高まります。
博士新卒の方も、自分の専門性であればどのくらいの年収になるのかを「市場価値チェック 」で一度確認してみてはいかがでしょうか?
\たったの5分で診断完了!/
【まとめ】年収アップ&任期なしの環境で研究を続けよう!
本記事では、博士新卒で民間企業就活を成功させるためのコツをくわしく解説してきました。
まずは、博士新卒の就職活動でアピールすべきポイントを明確化するため、博士新卒の強みについて確認しました。
- 【年収】初任給・年収が高い
- 【昇進】昇進が早い
- 【配属】入社後の配属希望が通りやすい (特に研究部門)
- 【海外】海外駐在できる可能性が高い
- 【学歴】学歴 (大学偏差値) をあまり見られない
- 【推薦】推薦の有無もあまり関係ない
次に、博士卒で企業就職する際の難しさに触れ、その難しさを踏まえた上での就活成功のポイントを具体的に解説しました。
- 【時間確保】他人を活用して効率的に動くべし
- 【開始時期】博士2年の冬には始めるべし
- 【求人探し】非公開求人を探すべし
- 【志望動機】研究内容以外の企業の魅力も絡めるべし
- 【研究内容】企業側の欲しい情報を推測してまとめるべし
- 【面接対策】企業側の懸念点を理解し面接官を安心させるべし
最後に、企業就活をサポートしてくれるおすすめの就活支援サービスを4種紹介しました。
- 非公開求人紹介から面談対策まで徹底したサポートを受けられる「就活エージェント」
- 登録しておけば企業からのスカウトが届く「スカウト型就活サイト」
- 求人情報を幅広く確認できる「求人型就活サイト」
- 自分の適正年収を確認できる「市場価値チェックサービス」
博士課程に在籍している方は、論理的思考力やコミュニケーション能力、資料作成能力などが優れている人が多いです。
それらをうまく企業に伝えられることができれば、志望の研究ポジションを獲得し企業研究者として活躍できる可能性が高くなります。
本記事の内容を参考に、民間企業就活を成功させるための第一歩を踏み出してみてください
以上で、博士新卒で民間企業就活を成功させるためのコツの紹介は終わりです。
質問等ありましたら、問い合わせフォームもしくはTwitterでからお問い合わせください。
お疲れ様でした!